埴輪。
そして
土偶。
古代の遺物としての神秘に包まれつつも厳めしくはなく、
むしろユーモラスな印象をあたえてくれる彼ら。
その姿は僕たちに親しみやすく、
必ずしも博物館の陳列ケースの中だけでなく、
色々な場所にあらわれて活躍をしている。
あるときは公共放送の教育番組で主役を務め、
あるときは人気TVゲームで死の呪文を唱えたりする。
土偶も埴輪に負けず劣らず人気者だ。
某国民的アニメ「ネコ型ロボット」の映画に出ている。
あれをはじめて観たときは、思わず笑ってしまった記憶がある。
けれども彼らが本当は何者なのか僕たちはあまり知らない。
埴輪と土偶の違いをきっちり説明しろと言われて
答えられる人ってどれくらいいるのだろう。
彼らが何で、何のために作られたのか。
それをたどっていけば、きっと興味深いことが見つかるに違いない。
私はもともと土器が好きでした。
陶芸教室に通って毎日のように土器を眺め、
土に触れては土器を作っていました。
縄文土器は特に好きで、自分で粘土をこねてつくったこともあります。
これがなかなか楽しいもので、
自分でオリジナルに模様を考え自由に模様をつけていく。
そして、焼成作業では釜などを使わず河原などで焼きました。
これはちょっとした私のこだわりで、
縄文時代のやりかたで作り上げようと思っていたからです。
そのおかげで、不審火と間違われたんですがね。
その時に何個か作ったんですが、
妻の「こんなの家におかないで!」の一言で、
いまやすっかり物置に入れられるような扱いです。
かわいそうな縄文土器。
そんなこんなで、土器についていろいろ調べているうちに、
埴輪が特殊な壺形土器であることがわかりました。
しかも埴輪の中には、特殊器台形土器、つまり壺を飾るための
台のことだがそんなものまであるのかと思い、埴輪に興味を抱き現在に至ります。
埴輪は調べれば調べるほど謎が深まります。
古墳などに大量に並べられていたことや、様々な形状。
目的ですらいまだ確証をえれるようなものはない。
これは土偶にも言える事。
全国各地で発見された例は数多くあるが、
完璧な姿をしたままの土偶はいまだ発見されていないのだ。
必ずどこかしら壊れている。
もしくは一部分のみ発見されたりする。
また、埴輪とは違って人型のもののみ発見されている。
しかも大半は、デフォルメされたような形、
一部分のみを強調したような土偶ばかりだ。
なかでも女性の生殖器を強調したものが多い。
そんなものを作ってなぜ壊すのか……。
謎は深まるばかりである。
まだまだ謎に秘められた埴輪と土偶、
あなたも私と一緒に「はにわどぐうの世界」
を探検していってみてはどうだろう。
思わぬ謎や、楽しさを発掘できるかもしれない。