埴輪が登場し活躍するのは古墳時代の日本に限られる。
もちろん活躍といっても素焼きの焼物のことだから
動いたり話したりするわけではない。
出土された状況からしてこの時代に製作されたということだ。
土偶との違いを簡単に説明したいなら「古墳時代」を
おさえておけばとにかく十分といえるだろう。
埴輪の形状は大きく2つに分けることができる。
それぞれ円筒埴輪と形象埴輪と呼ばれる。
円筒埴輪はその名のとおり円筒形をしており
主に古墳の周囲に置かれて境界を示す。
形象埴輪は動物、人、家、器財といったもので、
祭祀もしくは葬送のためにつくられたと考えられており、
墳墓の丘頂上に置かれることが多い。
形象埴輪は一般に思われているよりも
多種で変化に富んでいる。
家形は屋根の造りが数種確認されているし、
器財となると
鎧、兜、盾、靱、刀、冠、帽子、きぬがさ、
さしば、椅子、高杯、船などなど。
動物には
馬、犬、猪、鶏、水鳥、鹿。
人形には
武人、貴人、馬飼い、巫女、農夫、侍女、楽人、
力士、鷹匠とあって当時の風俗・暮らしぶりがうかがえる。
では埴輪はどうやってつくられていたのか。
最も基本的である程度の大量生産が可能だった
円筒埴輪を例にあげると、粘土板を貼り合わせたものを
筒状に巻いて形をつくり、それを開口窯で素焼きにした。
4〜500度と火力は低かったと推定されている。