キノコ

 





土偶にはさまざまな形があり、
特徴的なものには、それぞれ愛称がついていたりする。
中でも個人的に面白いと思う土偶、関心をもっている土偶を
とりあげてここで簡単に紹介してみたいと思う。

[[ 縄文のビーナス ]]
棚畑遺跡に横たわるようにして埋められていた。
大きく張り出した腹部と臀部が、妊娠の状態を表現していると考えられている。
右足部分に落剥が見受けられはするものの、ほぼ完全な形で出土しており、
当時は完全な形で埋められていたと分かる。
故意に壊されて埋められたと考えられる土偶が多いなか、貴重である
と同時に、考古学者、考古ファンのさまざまな推測を生む謎の土偶でもある。

頭部のみに渦巻き文様を持ち、雲母を含んだ粘土は磨き上げられて金色に輝く。
その丸みを帯びた素朴ながらもおだやかな輪郭は、
まさに縄文のビーナスの名にふさわしい。

[[ 仮面の女神 ]]
中ッ原遺跡にこちらも横たわるように埋められていた。
「仮面の女神」の由来は、見たまま、逆三角形の
仮面をつけているような頭部をしているからだ。

仮面の土偶といわれるタイプに属す。
女神という愛称は、同じ長野で見つかった縄文のビーナスの影響だろうか。
胴体部分に文様が描かれ磨き上げられている。
土器と同じく粘土紐を積み上げる製法のため、中が空洞になっている。
全長が約35センチメートルの大型土偶だ。

[[ 遮光器土偶 ]]
亀ヶ岡遺跡などで出土。
名前の由来は、大きくて横線の入った目が、
北方民族が雪原の照り返しから目を保護するために用いる遮光器(ゴーグル)
と似ていることから名付けられた。

もっとも有名な亀ヶ岡遺跡の遮光器土偶には、
刺青という説もある文様がほぼ全身に描かれており、
頭頂部の細工も手が込んでいる。
内部が空洞の中空式の土器である。